「世のため、人のために」
人に好かれたい、一目おかれる存在になりたい、できるヤツだと評価されたい…。私たちは常に他者の目を気にして生きています。他者から良い評価を得られれば、自尊心も高まり、幸せになれると思っています。しかし、他者から良い評価を得ようとすればするほど、私たちは幸せから遠ざかっている可能性があります。人から何かを得ようとするのではなく、人のために何かをし、人の幸せに貢献することこそ、良い対人関係、高い自尊心、そして幸せへの近道なのではないでしょうか。私の研究室では、「どのようにしたら他者の幸せに貢献できるようになるのか」を社会心理学的なアプローチで探求しています。
「日本人も、欧米人も、人間だもの」
文化が異なれば、人の考え方も行動も異なることは、海外経験があまりない人にとっても、もはや常識です。日本人が欧米人とどのように異なっているかを研究することも大切ですが、私は、文化がこれだけ異なっていても、人として共通する部分があることが面白いと感じています。たとえば「甘え」という言葉は日本語にしか存在せず、日本人特有であると言われていますが、アメリカ人も甘えることがあり、日本でも、アメリカでも、甘えが対人関係を促進することを明らかにしました。世界の人が日本人に対して抱くステレオタイプ的なイメージを是正できるような研究を目指しています。
「自尊心からの解放ー幸福をかなえる心理学」

社会心理学の実験の解説や、心理学尺度も
私がミシガン大学院時代に行った社会心理学の実験(とその背景にある紆余曲折)を詳しく解説しています。また、実際に「心理学」を体験していただけるよう、Try It! のコーナーを設けています。心理学の尺度に記入したり、質問に答えたりすることで、本の内容がより身近に体験できるように工夫しました。理学の知識がない一般の方でも読んでいただけるように心がけました。自尊心についての知識だけでなく、「へぇー社会心理学ってこんなおもしろいことやってるんだ」と思っていただけたらうれしいです。
(定価1,800円+税)
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